2012年11月30日金曜日

退職意向から1年:Steady(ステディ)での新たな挑戦

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  • 去年の今頃の話

30にして立つとは言いますが、ちょうど今年で30歳を迎えました。
それを気にしていた訳ではないですが、ちょうど去年の今ごろ、
能力とリスクを掛け合わせた地点の臨界点を感じるようになっていました。

前職のガイアックスはどこにもないほどチャレンジングな環境で
そこにいれば能力・スキルが伸びると思っていましたし、
もちろん、能力・経験を積めばそれだけ成功確率は高まります。
一方で、食事の量が自然と減ったり、
体力もピーク時に比べて少しづつ落ちていっていることも感じていました。
1人の人間としてライフイベントが先々あるとするならば、
取れるリスクは自然と減って行くのだと感じていました。




  • オファーを断る

そんな中で、男としてカッコいいと思い尊敬する経営者から、
自分の会社に参戦しないかという誘いを頂きました。
でも、その日の夜、直ぐに結論は出て、翌日の朝には断ったのですが、
そのオファーを断る理由は、自分自身で道を切り開く、
ということでしか自分自身に説明がつきませんでした。

とても自分勝手な、わがままなタイミングだったのですが、
丁度、1年前の今日に、退職します、という意向を伝えました。


  • 自分の中の腑に落ちない自分

その時は何がしたいのかなんて明確にわかっていなくて、
ただ、世の中は情報が偏っていて、そして情報には全て意図があって、
いつの間にかそんなことを忘れて、
自分自身でそれを前提に全てを考え抜けていなかった、
自分自身への憤りのようなものを感じていたと思います。
いつの間にか、欲しいものを与えられるのを待っていたんじゃないか、
欲しいものを、欲しくないって言い聞かせていたんじゃないか、そんな感じです。
カッコいいと思う人たちの前で話しているときに、
そういった自分が、自分の中に垣間見えていることが嫌でした。

  • 個人事業主:1年間で1000個のアプリを作って、ギネス記録に載ろう!

会社を辞めて、「ギブアンドギブアンドギブ」(これが今のG3の略)という屋号の元、
個人事業主として事業をスタートをしました。
会社に勤めていたときは事業側の人間でしたが、
学校に通い、勉強をして自分自身でtitaniumを使うことで、
iPhone、Androidアプリを作れるようになっていたこともあり、
当時、基準が緩くとにかくアプリ数を稼ぎたいと考えていたGoogle Playで、
あらゆるルールを無視して作った簡単なアプリに広告を載せてリリースしていました。
朝から晩まで狂ったようにアプリを作って、月に50個とか60個とか作りました。
当時、自分自身の技術力なんてほとんどないことも分かっていましたし、
多くはウェブに載っているフレームワークやソースコードを利用して、
短いものだと3時間とか、短時間で作れる本当に簡単なアプリを大量に作っていました。

世の中がびっくりするようなものを作るということが自分一人では出来ないし、
質がダメなら、量をこなそう、量をこなせば技術力も上がると考えて、
1年間で1000個のアプリを作って、ギネス記録に載ろう!ということを目標にしていました。

  • アプリの質に全く関係のないビジネスロジックへの落胆

130個ぐらいアプリを作った時には、広告収益がある程度出て、
このままやり続ければ、自分が食べて行くことはできるという感覚になっていたのですが、
そのときには、アドネットワークで収益を出すということが、
自分が出したアプリの質に全く関係のないロジックで組み立て立てられていることに
嫌気が指していました。

どういうことかというと、品質の高いアプリを作っても、
広告単価のロジックは、出稿枠に対して出稿企業が多いかどうかで決まっており、
先月よりよりよいサービスにバージョンアップしても、
その月に出稿したいと考える企業数が少なければ、簡単に収益は半分になるということです。
それが大概は4半期の締めごとに訪れて、
企業が余った予算を寄せてくる四半期末が1とするならば、
翌月になると1クリック辺りの単価は1/2に下がるわけです。


  • Androidアプリ製作を辞める

いいものを作るというところからどんどん離れていく感覚です。
同時にその思考は、ユーザーに喜ばれるものでもなく、
ひいては全く世の中に役に立っておらず、
やっていることの意味を感じなくなってもいました。

なので、ある日、ぱたっと開発の手を止めて、
簡単な受託開発を受けながら、
事業として取り組むべきものを考え続ける時間を作ることにしました。
それから、結局、事業プランを400個以上作りました。

当時書いていた事業プラン達


  • 自分のやりたい事業を見つめ直す

アプリディベロッパーの端くれとして思っていたことは、
とにかく品質の高いものを作ってもっと多くの人に長く喜んでもらいたいということでした。
受託をしながら、やっぱりC向けで
直接自分のサービスを使ってもらって反応がほしいなと思っていましたし、
私はニコニコ動画が大好きで、2007年からほぼ毎日、ずーっと使っているのですが、
そのころは、やるならそんな事業をやりたいと思っていました。

事業モデルという視点で考えると、

1. 無料で配って、その領域で1番になって事業を売却。
 もちろんユーザー体験の最大化のために広告は載せない(instagram みたいな感じ)
2. 無料で配って、広告を載せることで収益を上げる(上記の感じ)
3. ユーザーさんに直接課金をする
 (無料&プレミアム課金、最初から有料、プラットフォームの手数料など)

という3つしか方法がないのですが、ニコニコ動画は3に当たります。
つまり、ユーザーさんが最初は無料で使ってくれて、
満足しているからプレミアムを使ってくれる。
それって、ディベロッパーもユーザーさんも一番win-winなんじゃないか、と思うわけです。
なので、事業プランを作りながら、
そういったモデルで長く継続できるものを模索していました。


  • インターネットの歴史に出るようなサービスを提供したい

同時に、未来の当たり前を作りたい、
インターネットから新しい文化を作って行きたい、そういう思いも強くありました。
一瞬でいいからインターネットの歴史に出るようなサービスを提供したい。
そして、そのためには何より自分がやる理由が最も大事で、
それを抜きに儲かるからやるというのでは、何の共感も生まれず、
またやっている自分も楽しくないということも分かっていました。

そんな中で、Steadyの企画は生まれました。


  • G3株式会社の設立とSteadyという挑戦

8月22日にG3株式会社を、f-kidとともに設立しました。
そして昨日、スマートフォン向けソーシャルマッチングサイトSteadyをリリースしました。



会社の設立日以降は、Steadyのことしかやってきませんでした。

私自身、30歳という歳になりますが、大学の友達の半分以上はまだ結婚していません。
彼らは別に結婚したくない訳ではないですし、
経済的にもどちらかというと充実しているけど、
運命の人に出会う機会がない人が沢山います。

f-kidもブログで書いていますが、
omiaiというサービスを参考にSteadyは企画をされています。
omiaiは海外展開という思考が強いようですし、
僕たちがリアルに未婚の結婚適齢期の当事者としての感覚で言うと、
もっともっと違う、今の日本の利用者にとって最適な素晴らしいものを提供できる
と思っています。

実は、過去、私の紹介で2組のカップルが結婚をしています。
私の見た目からは想像出来ないかもしれませんが、私は実績のある恋のキューピットですw
私自身が気を使ってしまう方なので、あまりコンパを参加者として楽しむことができなくて、
どちらかというと、この二人って出会ったらいいかも、と思って、
自分はさておき、食事の場を提供する側に回ることがほとんどです。
また、自分自身、人を集めて、コラボレーションの機会を提供することが好きなので、
会社で渋谷のIT系の社長達を集めたり、大学生・若手社会人を集めて会を開いたり、
ということをよくやっています。

そんな活動の中で、この二組は運命の人に出会えたわけです。

  • なぜ運命の人は見つかりにくくなっているのか?:2つの社会変化

僕らの中学校の時は、みんな同じ月9のドラマを見ていましたし、
小室哲哉がプロデュースしたCDをみんな買っていました。
インターネットが一般に普及する前の時代です。
その時代は、自分が望んでいようが、望んでいまいが、
数チャンネルしかないテレビという巨大メディアから
綺麗で、画一的なものを与えられて、
多くは、みんなそれで満足していました。

でも、インターネットが普及して、みんなの趣味・思考は分散しました。
インターネットは、自分が好きなものや好きなことだけを見ていられる場所で、
それが当たり前になると、個性が分散していったわけです。

今の時代、同じテレビ番組の話をする機会なんてほとんどないんじゃないかと思います。
(最近で言うと、リッチマン・プアウーマンは別格だったけど)
当たり前のように、同じCDをみんなが買うということもなくなっているわけです。
自分が楽しいことだけを選べるのがインターネットの良さであり、
だからこそ現代人の趣味思考は大きく分散をしています。

同時にもう一個の社会変化は、集団に属することの意味が薄くなっていることです。
会社や集団に帰属することよりも、個人としての存在が大事になり、
合わせてTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが個人の発信力を高めました。
また、インターネットで働く場所に縛られる必要もなくなってきました。
日本社会全体が少子化で人口が減り、経済圏が小さくなって行くとともに、
乗っている船がいつ沈むのかわからない、だから自分でも泳げるようになろう、
という気運です。
ノマドとかフリーエージェントとかそういった言葉が世の中に出回るのは、
そういった背景があるのだと思います。

男女の運命の出会いという視点から、
「個性の分散」「集団への帰属から個人の独立」を並べて考えてみると、

・「個性の分散=自分が気の合うと感じる人の母数は減っている
・「集団への帰属から個人の独立=集団で自分の周りにいる人との関係は希薄になっている

というわけですから、当然のこと、運命の人は見つかりにくくなっているわけです。
自分が普段生活している中で、自分と気の合う人がいる方が珍しいことなんです。

私が、結婚まで行くような2組のカップルをつなげられたのは、
私自身がそれぞれの個性を理解していて、よき媒体になったからに違いありません。

  • Steadyのコンセプト

昨日、G3からリリースしたSteadyは

好きなことや大事にしていること、趣味、育った街、職業・・・・
「自分が大切にしていること」でつながる

というコンセプトで出来ています。
コンセプトを表現したムービーも製作しました。



分散したみんなの個性をインターネットに乗せることで、
普段生活しているだけでは会えなかった、今のあなたの個性に合う素敵な人に出会える、
そういう場所にしたいと思っています。

  • 今までの出会い系との違い

でも、結局それって出会い系なんでしょう?
ということを言われます。正直に言って、そうです。

でもSteadyは今の時代に求められているものだと心の底から思っています。

何が違うの、というのをf-kidが書いてくれていたので、転載すると

これまでの出会い系とSteadyは何が違うんだ、というところですが、以下のような特徴があります。
・登録にはFacebookアカウントが必須
・Facebookアカウントを持っていたとしても偽アカウントなどは目視で排除します
・入会時には厳正な審査があります
・顔写真が確認できない場合は入会ができません
・サクラは一人もいません
・ユーザーからの迷惑通報から事実が確認できた場合強制的に退会となります
・24時間監視を行なっています
・運営者の顔写真も公開します
最後の項目ですが、みなさんに安心して利用してもらうために何ができるのか、ということを考えていくと運営者の顔が見える、というのは非常に大事だと考えています。
僕たちは本当に価値のあるサービスを提供したい、と思っているので逃げも隠れもしませんし、堂々と顔写真を公開してパブリックな存在として世の中にこのサービスを提案したいと思っています。

というのが違いです。

  • 「出会い系」のイメージは僕たちが変えます

国内では今まで、出会い系という言葉のイメージが強く、
危険で怖くて騙されたりする場所のようなイメージを持っている方が多いのは事実です。
いわゆる、サクラとよばれるような、実在しないアカウントがコミュニケーションを続けることで善良なユーザーから利用料を騙しとったり、風俗店で働く女性が自分たちの上前をお店に抜かれない直接営業の場所として利用していたり、という実態があるからです。

でも、それのイメージは僕たちが変えます。

海外を見てみると、アメリカでは同じようにFacebookをベースとした
ソーシャルマッチングサイトの最大手 are you interested? 
を運営するsnap-interactive inc はナスダックに上場をしていますし、
韓国のi:UMは急速にユーザー数を伸ばし、現在ユーザー数50万人を超えているなど、
しっかりと運営されているマッチングサービスに市民権があり、社会的に認められています。

日本にもその文化を根付かせたいし、それが未来の当たり前だと思っています。
だから、Steadyのミッションは
「インターネットを通じて知り合うことが当たり前という文化」を作ることにしました。

Steadyの開発メンバーもみな、未婚30歳から31歳の男女です。
当事者である自分たちが、この時代に最も適したサービスを
展開して行きたいと思っています。

まだSteadyでやりたいことの5%ぐらいしか表現できていないのですが、
これからずっと改善を続けてもっともっと良くして行きます。

長文になりましたが、ぜひフリーの人はみんなSteadyをご利用いただきたいですし、
フリーじゃない人でこのプロジェクトの趣旨に共感してくれた人は、
外から応援してくれるととてもうれしいです。

・Steady 紹介ページ


2012年10月9日火曜日

29歳の人生論

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福岡空港での待ち時間30分。
頭から溢れ出る言葉を書き留めた。


・頭が良すぎてもいけない

頭がいいとリスクが取れなくなる。先のことを考えすぎて、頭の中最適な答えを探すからだ。
何もないことを恐れては行けない。

人はそういった見えないものを自分の想像力と周囲のアドバイスによって、出来る限りクリアにしようとしている。

しかし、そんなことは無駄なことだ。
あなたが今からしようとしていることは、誰も成し得てないことであり、唯一無二のあなたの人生なのだ。その答えは、どれだけ人に聞こうともっていないし、自分で考えればポンと出てくるものでもないのだ。

人生はあなたの思考次第で難しくも、簡単にも、楽しくも、つらくもなる。

見えない暗い中を走る抜ける覚悟が出来た時、自分の道がそこにあることに気づく。
誰かにしかれたレールの上を走っているうちは、それは誰かのレールという事実以上の何かを生み出すことはできない。
道は360度開かれているにも関わらず、今、自分の脳で処理した結果に満足してはいけない。
脳が刺激を受けるのは、今までの自分の脳が想像できなかった世界を歩き始めるからだ。

だから、大概の周りの人には、もっと馬鹿になれ、といいたい。
あなたの人生は今の自分で想像できること以上のものを描けるんだよと。
そのためには、いつまでも思考の杜にいてはいけないのだよと。

・好きでたまらないことだけをやれ

だいたい、好きなことをやれば良いというと、自分はなにが好きなのかわからないという人が出てくる。そんな馬鹿なことはない。

じゃあなたは、ラーメンと寿司とステーキどれが好きなのか?

それと同じだ。人生もそれと同じレベルで判断していいということ。

唯一違うのは、ラーメンも寿司もステーキも食べたことがあるけど、人生の先の選択肢は試したことがない。だから、選ぶということは、試したことのない他のものを捨てることになる。

でも安心して良い。それはきっと食べたら不幸になる食べ物だったし、今選んだものが自分にとって必要としていた最高の選択肢なのだ。というか、そうやって狂信的に信じることを学ぶべきだ。

人生で最大に無駄な時間は、考えて行動しない時間だ。

若いうちは、どれがうまいのか、食べて判断すれば良いし、年取って判断して戻ってくる時間がないのであれば、狂信的に信じ抜くことだけだ。楽しくないあなたの人生が、最も周囲の迷惑だ。

今がダメだと思っているなら、捨てて動くこと。
頭のよい人は嫌ほど言われているだろうが、それしかない。


・公器となる

自分の責任範囲を広げることで、非常に大きな力を得ることが出来る。
思考は常に公共を標準にすべきである。
自分という存在を、今所属している組織の全責任を持っていると思うべきであり、地域社会にとって不可欠な仕事をしなければらないし、この今の瞬間の日本を背負っている人間だと考えるべきだ。もっと地球と自分とを一体化してもよい。

尊敬する先輩が100年先の日本人から、今の自分を振り返っている姿を見た。
歴史上の人物として自分を捉えた時に、どうなんだ?ということだ。

私利私欲は人間なんだからある。だけど、そのことも吹き飛ぶぐらいに、思考を公共のものとして捉えることができれば、自らが持つ能力を最大化できるだろう。

その点、自分はまだ未熟者だと日々思っている。
大事を成し、大成する先達に囲まれる中で、もっと自分が得なければならない視座だし、
そう変化していける自分を想像すると楽しくて仕方がない。

ただ、前のめりに、人生を進めばよい。

2012年7月26日木曜日

自分探しなんてしてる奴は、まず批判的になるべきだ。

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情報が多くなると考えない人が増えるんじゃないか。

情報が多くなって、経験した気になる体験が増えるから、というのが持論。

衆愚的になったり、作られた虚像の中に羨望を抱いてしまう人が増えていると感じる。

「批判的に物事を見る」ってことがもっと求められているんじゃないか、といいたい。

テレビニュースで流される情報を真に受けるのって馬鹿じゃないの?的な感覚ってあると思うんです。
それは、今ではソーシャルメディアを通じて生の声が届くようになったからだし、僕ら80年代の人が育つ環境では、経済も衰退し始めて、もともとマスコミって・・・的な議論はあったと思うので、そうでしょう。

そのうち、(今でもそうか)、FacebookやTwitterで流れる情報なんて真に受けるの馬鹿じゃないのって感覚になると思う。(し、今でもそうか)

元々、自分に不利な情報なんて誰も発信しない。それは当たり前。
自分のコンプレックス情報なんてリアルネームの世界では公開はしないんだな。

基本は自分に取って良いことを書いている。

例え、最近多い「誰得」とか書いていても、基本は発信者は自分のポジションのためだったり、得だと思っているわけで書いている。少なくともマイナスではない。

瞬間ピークの数字や状況を平時のように書いている(と思ってみた方が良い)

歪んだ見方と思われるかもしれないけど、
裏話を聞くと現実はそれに近いことが多い。経験上。


最近じゃ、「Mixiが死ぬ」なんて書いて炎上という話もありましたが、
やっぱり尖ったことを書こうとする力が全体として働いている。


誰もがメディアを持てる時代になったからこそ、
大きなところで、民衆やフォロワーにどう思わせようか、
と考えている枠組みや組織、個人は増えているわけです。

分かっててうけとるのか、素直に受け取るのか。

当たり前のことだが、全ての情報に意図はある。

相手の意図を理解した上で、情報を理解し、打ち返す

批判的にものごとを捉えないと、
経験に紐づかない薄い思考でまとまって、
気づいたら自分がなくなってしまいます。


この前、ある大学生の面接をしていたんだが、
自分の意見がないし、自分が何者かも説明できない、自分の行為を説明できない、
結果、面接にならないという状態になって、衝撃的な経験だった。
このサンプルだけで一般論は語れないけど、そんなきっかけで書いてみた。


2012年7月4日水曜日

アプリ制作代行モックスマートの立ち上げ背景

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スマートフォンアプリ制作代行「モックスマート」という事業を先週始めた。


iPhoneやAndroidのアプリケーションを作りたいと考える方々に、

いきなり時間とお金を投下して開発をするのではなく、

簡易的な模型を素早く低価格で提供することで、

早い段階でユーザーテストの機会を得ていただいたり、

営業先や投資家へのプレゼンテーションに使っていただくものだ。



今回は、この事業の立ち上げ背景を紹介する回にしたいと思う。

先ず以て、事業を立ち上げるということは聞こえがいいが、

私はその事業をやります!と世の中に宣言することは、

責任であり、社会との約束であり、自分の顔だと思う。

やる限りは命をかけ遂行しなければならないものだと思う。



自分が独立して、どうやって世の中に役に立つのか、ということを考えるほどに、

自分の生き方を見つめる時間になっていた。

その先にあったのがこの事業。

リリースの際にFacebookにて投稿した内容をそのまま転載。



みなさんご存知の通り、私はずっと営業をやってきました。そんな人間が少し勉強したからってたいしたものはできないと思われると思いますし、私自身、常日頃、プログラミングが未熟だなと思いますし、センスがない!(笑)と痛感する日々です。出来る人がやれば、自分が1ヶ月かけてやっていることは、3日で終わるんだろうな〜とよく思います。
独立している人はみなそうだと思うのですが、「どうやったら今の自分でみなさんにお返しできるのか」「周りの人にどうしたら貢献できるのか」と日々、悩みつづけています。製品として完成度の高いアプリケーションを作るのは、未熟すぎてまだ出来ないと思っているのですが、人にプレゼンテーションをするための簡易的なアプリケーションであれば、今の技術と今までやってきた営業の経験と活かして、いいものができると思っています。
アプリケーションだけではなく、資料作成もずっとやってきましたので、プレゼンテーション全体のストーリーを組み立てたり、デザインを統一したり、話す内容を整えたりというところも全体でお手伝いできます。
今の僕できることは人の何倍も働くこと。
心のどこかで、それを続ければきっと困るとにはならないだろうと信じていますし、
どんな時にも運命を跳ね返すことができるんだって強い気持ちをもって、
一生懸命、丁寧に仕事をさせていただきますので、
ぜひ周りの方にでもそういったお話があれば、ご紹介頂けますと幸いです。


営業・企画をやってきたというバックグラウンドを活かして、

かつ(曲がりながらも)スマートフォンの開発ができるというスキルを活かして、

価値提供をしていきたいと考えています。


事業開始して、早速発注もいただきました。

どんどん経験を積んで、

アプリを出したい!という方と一緒に素敵な初期モデルを考えて、

モックの実装して行きたいと考えています。


これからもスマートフォンアプリ制作代行「モックスマート」よろしくお願いします!

2012年6月15日金曜日

iPhoneおよびAndroidのモックアップの制作代行サービスを始めました

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スマートフォン向けのモックアップ制作サービス「モックスマート」を展開始めました。



モックアップとは、完成イージを具体的に持つ持つことができる簡易的な模型のことをさします。モックスマートでは、低価格&短納期で、実際にさわっていただけるモックアップを制作させていただくことで、本格的なアプリ制作の投資判断に活かしたり、社内外のプレゼンや投資家向けの判断材料としてご活用いただくことが出来ます。

ご利用の対象としては


・自社でスマートフォンアプリをリリースしたいという方
・企業向けにアプリケーションの提案をするという方
・社内の新規事業として予算を確保したい方
・スマホ向けのサービス展開を考えるスタートアップの方

などを想定しています。


スマートフォンが普及するに従って、「こんなのあったらいいんじゃないか!?」と考える機会は増えていると思いますが、アイディアベースだけだとなかなかイメージがつきにくく、周囲の人から共感を得たり、説得したりすることが難しいケースがあります。

また、本格的なアプリケーションの開発では、平均2〜3ヶ月程度の開発期間を要し、開発費用も100万円〜という費用が発生いたします。時間もお金もかかるからこそ、本当に制作投資をすべきなのか、手元のスマートフォンを触りながらご判断いただくことができます。

iPhoneでもアンドロイドでもiPadでも対応できます。

「スマートフォンのモックアップ制作「モックスマート」からお気軽にお問い合わせください!

2012年6月13日水曜日

「無言実行」

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「有言実行」は、自分で言ったことをキチンとこなすことを言うが、「無言実行」は誰にも言わずキチンとやるべきことをこなすことを言う。

「無言実行」が、独立してからの自分の信条になってきている。

1 最近偶然、Start Up Datingで「クックパッドものづくり三原則」が出ていた 2 今回ブログを書くにあたって検索したら、不言実行がメジャーらしい。けど、自分の中の原体験に紐づいていて、別に、にわかで無言実行と言い出した訳じゃないよ、と書き足しておく。

自分のイメージする状態を手に入れるために、より確実な方法は有言なのか、無言なのか。俺は、無言だと考えている。独立後からそう考えるようになった。

確かに、「言霊」という話もある。自分が発言することには魂が宿っていて、より実現しやすくなる。という話だ。ゴールを声高に叫んで、周囲の中で共感してくれる人を巻き込んで、大きくしていく。そういう展開。

以前は、そう思っていた。

今は、無言実行を主に置くべきであり、未来のことを話す相手はよっぽど選ぶべきだと考えている。人に自分の行き先を伝えることは、よくも悪くも変数が一つ加わるのだ。そして、イメージする状態を手に入れる時に、外部の変数が増えることが時として、(いや、往々にして)プラスに働かないケースが多いと考えている。
自分が話す相手を選び、話す相手がどういう反応をしてそれがプラスに運ぶのか、をイメージしてから、話すべきである。

「有言」して実施まで至るケースが何割あるんだろう。明日も来週も分からない世界の中で、未来の宣言をする勇気が俺にはないし、変化することが当たり前だと思うので、有言は想定外の着地になるケースがほとんどではないかと思う。

また、実績が追いついていないのに、やりたいことだけ叫んでいてもかっこわるい。
世の中ではかっこわるいと思わない人が多いようだが。

例えば、最近のウェブ業界のトレンドでは、ティザーサイトを作ることがスタンダードになっているように思える。
※ティザーサイトとは、サービスのリリース前にコンセプトを表現したウェブサイトで、多くの場合は、先にFacebookページを用意して「いいね!」を押してもらうことで、興味のある人にプレマーケティングをかけるために利用されている。最近だと サイバーエージェント、9月末までに28個のスマホ向けサービスを展開へ などがネットで取り上げられていた。

有言実行スタイル視点でこれはあるべき方法だし、自分らを鼓舞するので意味でもいいのかもしれない。ただ、時代と逆行すると言われようと俺のスタイルではないと考えている。むしろ、アプリであればこっそりリリースして、少なくとも10万ユーザーぐらい利用者がついてから声だかに叫びたい。このアプリは俺たちなんだぜって。

例えば、コロプラがその有名な自社ブランドと切り離して、「Kuma the bear」というゲームブランドを走らせて、100万DLを超えてから、コロプラでしたと明かしている。
そうなったときにじゃあコロプラで出しますか?といわれると、そもそも位置ゲーではないので難しい。じゃあ別ブランドを作って出してみて反応をうかがってみようということになったんです。コロプラからの導線とかユーザーへのお知らせは一切せずに、どこまで行けるかちょっと様子を見てみようよと。


俺はこういうスタイルが好きだ。

有言しておいて、開いてみたら内容がしょぼかったり、結果300ユーザーしかいません、みたいになったら(往々にしてなると思うが)、次に期待してもらえるだろうか?俺は、たった1つのアプリのコンセプトを大々的に宣伝して、失う信頼信用の方が大きいと考える。
AKB48をプロデュースする秋元康だって100個以上のプロジェクトを同時並行でまわしている時代だ。いくらその人が人生をかけた渾身の1作であっても、その1つのものを確実に100%ヒットさせることは、奇跡が重なる以外、出来えないのだと考えるのが自然だと思う。
秋元康は常時100以上のプロジェクトを同時にこなしていると言っていた。同列では語れないが、多作で有名な安藤忠雄であっても並行して行うプロジェクトは50ということなので、その並列性はすごいと思う。

その意味では、一つのサービスコンセプトだけでファイナンスして走っていく最近のスタートアップのスタイルも俺の哲学とは違う。もし外部から資金調達をするのであればもっと安定的にいいものを生み出すプラットフォームを築くことに共感をしてもらうべきだと思う。

また、会社を作っていく上で、ビジョンが大事だという話があるが、ビジョンも俺の考えでは企業が存在する前からは存在し得ない。ただの妄想に過ぎないからだ。集まったコアメンバーが必死に走る中で、強烈な共同体験とともに共通のゴールを夢見る。俺はそれを言葉にするべきだと思うし、コアメンバーが増えれば、ビジョンは変化をしてもいいと思う。
メンバーの見ている方向性が大枠で一緒であれば最初はそれでいいし、何より死ぬ気で必死になれるのかということが大事だ。限界までやり尽さないと見えるものも見えないから。

最後に、これが言いたいことの一つなんだけど、「無言実行」というスタンスを決めて以来、このブログで何かを書くとそこから色々想像をされて意図しない変数が増えることを危惧して、なかなか記事をアップできなかった。今、自分がイメージしているものごとが事実として固まったときには、また更新していきたいと思っている。

2012年3月15日木曜日

今、スタートアップが差別化すべき要素は、デザインか、アイディアか、スピードか?

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あったらいいな、が誰でもすぐに実現できる環境

  • 簡単に組み込めるカート、決済システム、App Store・Google Play 等の市場
  • 簡単にかっこいいサイトが作れる Bootcamp、jQueryなどの数々のライブラリ
  • 勉強さえすれば誰でも短期間で作れるスマホアプリのインフラ

1999年ごろのネットバブルと決定的に違うのが、これらのインフラ環境だ。
作り手にとって簡単・便利になって、参入が一層簡単に、競争はどんどん加速している。

この環境の中でどうやって、差別化しようかというのは、みんなが悩むところ。


デザイン

最近、デザイン(UI/UX)って大事だよねーって話をどこに行っても聞く。

誰でも同じ機能を使ったサービスを簡単に作れるようになったからだ。

みんな、プラットフォーマーが作ったルールの上でダンスしてるんだけど、当時は珍しかった「靴」っていうものも、「リボン」ってものも、最近じゃ、「サングラス」ってのも、みんなが手に入れられるようになってしまった。

今じゃ、ダンスフロアの入り口で、良ければこのサンプルどうぞ、って大概のものが配られている。

確かに、部品だけくれるから組み立てるのが大変だったりってのもあるけど、どんどん簡単になっているし、リテラシーがあれば、組み立てるためのマニュアルはどこにでもあって見つけられる。

で、デザイン。


この前、自分でiPhone向けのTwitterClientを開発したのだけれど、世の中にTwitterClientは一体何個あるんだろうか?

デザインが良ければ、今からでもトップシェアのTwitterClientが生まれるのか?

「4年で250億ダウンロード、50万種類リリースされたiPhoneアプリ」という時代。


可愛い靴を作れば、はきかえてくれるかも。
見たこと無いリボンにしたら、まだしてないひともしてくれるかも。
サングラスを軽くしたらから、使う人が増えるかも。

もはや、全部当たり前になってしまったんじゃないのか?


つまり、デザインが優れていることは、差別化要因ではなくて、それがないとお話にならない時代なんだと思う。

どんなサービスやっていたって、当たり前のようにPathの地図みたいな気持ちよさを目指すべきだろう。

デザインがいいのは当たり前なんだ。
当たり前だけど、今からTwitterClientを作っていてはだめだし、そもそもスマホ軸で勝負するのは遅すぎて危険な匂いしかしない。
(もちろん、拡大するスマホ市場の上澄みを取りに行くのであれば別だし、マネタイズ視点で企業としてやるべき。)

差別化のために必要なのは、デザインそのものではなく、何をデザインするのか、その着眼点だろう。


アイディア

どんな問題を解決するのか、どうやって到達するのか、着眼点が差別化になる。

世の中は変化し続けて、その中で無限に新しい問題が発生し続ける。
世界が複雑系である中で、解決すべき問題のない状態にはならない。

誰も真似しないその瞬間まで。

良いアイディアの敵はパクリだ。

first movers advantage は大きいが、最初に参入した事業が後発に食われるということは往々にして起きる。

資本のある企業が投資してくるまでにどこまで逃げられるのか。

いいアイディアは必ずパクられるし、スタートアップが持てる参入障壁なんて、あってないものが多いはずだ。

良いアイディアを色々なところでピッチしまくってブラッシュアップすることは絶対やるべきだと思う。
シリコンバレーでピッチしていたアイディアは、沢山の人にご意見をいただいてとても深くなったし、もっと考えぬくべき多くの課題を得た。アイディアを軸に素晴らしい人達の紹介もしてもらえた。

アイディアを隠すというもの手段かもしれないが、多分それよりも大事なことは、思いついてから、実装・リリースできるまでの早さだろう。フットワークの軽さと技術力は良いアイディアを長生きさせる最大の手段なのではないか。

早さ

早さは差別化になる。

誰もやってないことを一番にマーケットに出すことは、ユーザーを獲得する上でおそらく一番大事な要因ではないだろうか。
ユーザーが集まれば、投資も集められるし、そうなればもっと人材を集めたり、広告をうってさらにユーザーを集めることも出来るようになるだろう。

そこまで、つまり、「ユーザーを集めて、お金を引っ張れるところ」まで走れればとても立派だ。

多分、大概の場合は、誰もやっていないことを一番にマーケットに出した次の日に、全く同じ機能をもったサービスが同じ市場に存在する。次の日、というのは大げさでも、数週間で2番煎じは絶対に来る。

ソーシャルランチがリリースされたのは、11年10月19日。
この半年間で、同じようなコンセプトのサービスをどれだけ見ただろうか?
良いコンセプトのサービスは、目立つ分、パクられるのも早い。

初動の早さだけで勝ち抜けるのは、グルーポンとか、ぐるなびのASPみたいな、もしくは、POSシステムとか、サブスクリプションの音楽配信とか(日本には正式にはまだ参入できてないけど)とにかくターゲット1人に対して、穴が一つしか無い、席取りゲームみたいなビジネスだろう。

他のサービスは、ユーザーにとって便利で、いいものであれば、後からでも乗り換えられる。つまり、先に出したから差別化になるわけではない。

<結論>
だから、結局、デザインもアイディアも早さも、あって当たり前ということ。

この3つを兼ね備えた組織ってかなり筋肉質だと思う。
ましてや、お金のないスタートアップであればなおさらだ。
最小限の人数でこれらを実現しないといけない。

今、大学生を始め、経験の薄い人たちがどんどんスタートアップで立ち上がっていく。


彼らの武器は、気合と竹槍(=ほとんどない技術力)だ。

ワンダーシェイクだって全然成功しているって僕は思わないんだけど。。。
確かに、海外に軸足を置いて凄いなと思う。(し、羨ましい。)

というか、奇跡の中の奇跡だと思う。
それをみて、竹槍で戦いに行くのかーと思うと、否定はしないけど、大変だろなと思う。

僕は、外から見ていてorinocoがいいなぁ、理想だなと思っていて、
企業で開発をしてきた経験者が、マネタイズのできる複数のビジネスを展開して、
同じ文脈で語られる中では、自分の理想に近い。

Grow!も素敵。スタート時からきっちり未踏プロジェクトにいたメンバーが入っている。

彼らは、同じスタートアップでも、武器は竹槍じゃない。いわば、戦闘機。


デザインもアイディアも早さも、ベースとして兼ね備えた状態だ。

それがないと、相当つらい市場環境だと思っている。

では、どう差別化すればいいのか?

差別化とはつまり、どうやって独占、寡占市場に持ち込むのか、ということ。

スタートアップであっても、他社が抑えられない権益やリソースを自社が抑えることができれば、それは大きな差別化になるだろう。

素早く参入して、一番にユーザーを囲い込むことが差別化なんです、というようなあってないような話ではなくて、何かしら独占できる権益を探す。
もしくは、独占できるものを産み出してもいい。最近、僕が思うのは、それだ。

提供側にリッチな環境があり、差別化要因が作りづらい状況で、コンテンツやブランドを自分で作ることは今の市況で強い差別化要因じゃないかと考えている。

無料で何でもシェアされてしまう時代に、うまくマッチして、加速できる「コンテンツやブランド」こそ、強いのではないか。

賛否両論あると思うんだけど、リズムシシリーズはそういう匂いを感じる。





あとは、実は運という要素もとっても大事だと思う。




長文、読んでいいただいてありがとうございます!
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2012年2月29日水曜日

シリコンバレーってそういうことだったのか会議

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シリコンバレーでメジャーIT企業で働く方々、現地スタートアップの方々、投資家・VCの方々にお会いしてきましたので、そこでの学びをまとめました。

(タイトルの件ですが、すみません。特にリアル会議してないです。僕の脳内会議です。)



スティーブ・ジョブスがApple創業したガレージ

その事業が「どの程度インパクトがあるのか」を中心に考える

会う人全員にピッチをしてきました。

で、

とにかく、インパクトが大事。インパクトがないと聞く耳を持ってもらえない。

そして、世の中に良いインパクトを与えるためには、現状の前提を全て取っ払わないといけない。

例えば、リスクが高すぎて常人は手を付けられない既存権益の破壊
例えば、今ないものを生み出すために、法律を塗り替えるぐらいの絵

とか、今、当たり前になっていることは全てフラットに考えていい。

現状は一回置いておいて、それを解決したら世の中がどれぐらい良くなるのか、どのぐらい驚くのかという視点を中心に置くから、魅力的で、大きな絵が生まれてくるのだと思いました。

言ってしまうと、当たり前なのかもしれないし、日本で展開している感覚だと少し浮き足立った感じかもしれないですが、これが僕が一番得たもの。


生まれるアイディアが特別なのではなく、カルチャーが特別

エンジェル投資家に対して、スタートアップがプレゼンをするイベント SV NewTech に参加してきました。偉そうに聞こえると思いますが、正直、このレベル?みたいな感じのアイディアがほとんどでした。

まさに、玉石混交。日本も同じぐらいの確率でアイディアは発生しているじゃないかと思います。

差があるのは、起業家を尊重し、引き上げるカルチャー。つまり、投資家と起業家の関係性。

出た杭を叩くのではなく、引き上げる。

ちょっと出た杭に、有名投資家が付く。
だから、他の投資家も振り向く。もっと大きなお金が入る。

極端な言い方だと思うので、字面のとおりではないと思いますが、

・ スタートアップを始めるのにお金は1ドルも持ってなくていい
・ こっちのコンバーチブルノート(転換社債)は返せって言わない

という話を聞きました。

前者は、スタートアップする人たちはお金が無いのは当たり前で、
一方で本人たちに一定の株を持たせながら、数百万単位のお金を投資するエンジェルがたくさんいて、
当然のように人のお金で挑戦すればいいよね、という状態。

後者はコンバーチブルノートで後々やっぱり返してくれって話になったら、
そんな小さいことを言う投資家だという噂が広がって、次の会社に投資しにくくなるから、返してくれと言わない状態。

投資家と起業家の関係において、起業家のポジションが確立されているという印象です。

起業家を賞賛し、応援する文化がシリコンバレーに人を集め、金を集め、成功すると数十億〜数百億円とかのスケールの大金持ちが生まれる。その大金持ちがシリアルアントレプレナー投資家として、次の起業家を支援しに行く、というサイクルが回っています。



約300社のスタートアップが入っているインキュベーション施設 Plug and Play Tech center にて



美談の裏には、泥臭いことが隠れている

今、当たり前のように定着しているサービスも、立ち上げる時には作ったエンジニア自身がサクラをしたり、スパムまがいのバイラル施策を打ったりと、綺麗な顔立ちとは別に泥臭いことをしてきているという話を聞きました。

東京からシリコンバレーの情報を見聞きしていると、あっという間にユーザーが付いて、成功にまっしぐら、気づいたらM&Aみたいな美談ばかり印象にあるのですが、そんなことはなくて、それこそSVNewTechみたいな小さなイベントから這い上がっていく部分だったり、ぎりぎりまでリスクを取った施策を打ったり、泥臭い作業もして広げている姿が裏にあったということが、強く心に残っています。

もともと大企業や政府がそういったものを求めることから始まっているのですが、情報セキュリティ・マネージメントシステムの国際規格である、ISO/IEC27001はダントツで日本企業がとっているみたいですし、PマークやISMSを重要視する文化のもとでは、個人情報の観点でリスクを取った施策が打ちにくく、ルールギリギリで攻めてくる海外勢との競争がしにくいですね。


最後に、現地で僕をアテンドしてくれたDMXの本田社長が、「シリコンバレーで3ヶ月間インターンして学んだこと」 というブログを書いています。よろしければ、こちらもぜひご覧下さい。

読んでいただいて、ありがとうございました。


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2012年2月24日金曜日

Facebook疲れ時代のサービスって、何だろう?

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※本稿、まとめずに勢いで書いておりますので、駄文お許し下さい。


Are you Facebook疲れ, なう?

Facebookで求められる「2面性を許さいない感」が
今まで実現出来なかった現実とネットをぐっと近づける事ができるようになった反面で、
「あー、逃げ場がないな」っていつも思わけです。

特に、ネット業界の人たちは当然のごとくFacebookでコミュニケーションしていますから、
もう昨日と今日言っていることが違いますね、ってことは自ずとバレてしまうわけです。

でも、人間には当たり前のごとく、迷いや苛立ち、恐怖があって、そういう負の感情はぐっと押し殺さないといけなくなってきました

あまりにもリアルに繋がりすぎていて疲れてしまうわけです。

本当はどうでもいいんだけど、先輩・上司・周りに気を使って
「いいね!」とか押している世界です。

90%以上のいいね!は本当にファンではなく、
エンゲージメントを表現していないという記事が前に出ていましたが、
いわゆる「ソーシャルヨイショ」しているわけです。

“フェイスブックマーケティング”の真実:やっぱりフェイスブックの「ファン」はブランドの本当の「ファン」ではない?

それは本当の意味ではリアルではないですね。
ウザければ、氏ね、っときちんと言わないといけないわけです。

今のはやりを見てみると、背景に流れているテーマは
「セルフブランディング」だと思います。

ネット上でよく見られたい、ブランディングしていきたい、そうすることで、
リアルの世界でのつながりが広がってきたり、仕事が増えたりする、という流れです。

一番有名なのは、LinkedInでこれは特に説明が必要ないと思うのですが、
Quoraも実名QAサイトとして、その中でリクルーティングが行われていますし、
PinterestもInstagramもおしゃれ感のブランディングだと思います。

だから、良い子な面を表現しよう、という力がものすごく働いています。
そうじゃないとネット上だけじゃなくて、リアルでもかっこわるいわけです。

ハンドルネームで知らない人にさらっとコメント

一方で、正確には、別に2ちゃんも健在だし、その他掲示板もあるんだけど、
どちらかというと、いいなと思うサービスはそういうものではなくて、
ブログが立ち上がってきた最初の頃の世界観のもの。

僕が大学生のときにブログブームが来て、
ライブドアとか、アメブロとか、
センスのある人は当時からbloggerとか、
出来る人はFC2とかカスタマイズして使い出したタイミングぐらいです。

僕もご多分に漏れず、ブログを書いていました。

Mixiと接続するのって結構悩みませんでした?
現実の友達が見に来るんだって。

結局、会社に入る前に、会社の人が見てるんだと急にリアルを感じて辞めました。

IPで書き主がリアルに特定されるんだ。
という感覚も当時はそんなになかったと思います。
秋葉原の事件とか、が契機かな。

実態としては、当時から2ちゃんもちゃんと
警察には聞かれれば情報公開をしているのですけどね。

あの頃は、もっと知らない人同士がブログで気楽に絡めました。
ハンドルネームだし、知らない人にさらっとコメント残したり、残されたりと。

それ以上にはならないんだけど、
その分、今は書けなくなった負の部分を書くことは容易だったと思います。

Facebook疲れ時代のコミュニティサービス

Arrow ってサービスを知っていますか?


僕は結構好きで、知らない人が即レスしてくれる感じはFacebookには全くない感覚です。

Arrowはいいんだけど、手軽さを追求したので、結局あまり中身のない話を、
しかもその瞬間だけする場になっていて、イマイチ継続してやり込みつづける感は薄いんですね。

完全に匿名でソーシャルなんて一切繋げない、けど、Arrowよりも日記、ブログっぽい感じ。そうしないともっと深く書けないし。

掲示板みたいにトピックがあってそこに人が集まるんじゃなくて、
あくまで人が書いて、誰が見るかわからない日記を書く。

でも、日記を書くのって今のユーザーさんには非常にハードルの高いことなんで、
何で動機づけするのかってのはテーマで、そういう中で eyeland は好きだし、
ソーシャルグラフを一切使わず、位置情報でリアルグラフに基づいたサービス設計をするっていうスタンスがかっこいい。



少し流行って、今は男ばっかりで、改善の余地ありだけど、Facebookと切り離してコミュニケーションできるという意味では、Facebook疲れ時代のサービスになるんじゃないだろうか。

はてなの近藤社長が年始のブログで書いていたのは・・・

しかしもちろん、オープンインターネット空間の良さが無くなったわけではありません。 facebookには、これまでに知り合った知り合いはいても、これから知り合うべき人との出会いはほとんどありません。皮肉なことに、本当にsocial networkingをしたい場合は、オープンな領域に出て行く必要がある、という状況が生まれています。

Facebookにとって、知らない人とコミュニケーションするってことはそもそも外の世界にありますし、未だ知らない誰かと非実名でつながって、不特定の人達の中で偶然通りがかった人がまた訪れることができるような場所で、もちろんそこにはセルフブランディングも入ってこないので公開できるものもある、みたいなネットっぽいところがあってもいいと思ってます。今は、ネットにも逃げ場がないから。

いわば、仮面舞踏会的な・・・(行ったことないけどw)






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番外編

他には、ポケプロ 〜ラインファン用〜 って知ってますか?
30超えて知ってたらただのエロオヤジです。



LINEのファンサイトという見せ方をしていますが、実態は若い子たちを中心にラインのIDを共有してます。

僕はもちろんロムユーザーなんだけど、実名なんてみんな無くて、LINEの最悪、切り捨てられるIDでつながる感じ。使っている人たちはFacebook疲れしているからとかじゃないけど、ソーシャルグラフの力なしでつながりにいっているわけで、セルフブランディングって大人の世界での保証マークみたいなもので、人は繋がりたいし、どう安全・安心につながるのか、ということなんだろうなと思いました。


2012年2月23日木曜日

キンドル、iBook、自炊・・・今、絶対に知っておきたい電子書籍と出版、3つの事実

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iBook / iBook Author 、4月にAmazonからリリースされる日本版キンドル(Kindle)と
今後、電子書籍周辺の生態系が大きく変わるので、そのあたりの情報をまとめました。
ネット業界的には今年、1・2位を争うホットトピックだと思います。

本稿はボリュームがありますが、この記事を読んでいただければ、電子書籍・出版業界の現状と今後について十分な情報を得ていただけます。

今、知っておきたい電子書籍界隈、3つの事実


1.出版社は本を出版し続けないと倒産する自転車操業状態

作られた本のうち、4割が誰にも読まれず捨てられているとご存知でしょうか?
裏を返せば、買う本には捨てられる4割の本のコストが内包されているわけです。

技術書は平気で4000円しますし、
ビジネス書でも1日1冊買って読むとしたら月3−5万ぐらいお金がかかってしまうんですね。

ここには・・・

a. 出版社が本を出版すると、全部取次が買い取る。この時点で、出版社は取次から売上が立つ。小売からキャンセルされた売上相当分はのちのち返す。

b. 取次は小売流通を全部抑え、かつ販売価格を固定し、小売での値引き禁止している。(再販制度)

c. 本が売れなくても小売店はその本を取次店に返せば元値で買い取ってくれる。

d. 過去の販売データを取次が抑えているし、キャンセルすればお金は戻ってくるので、取次はどんどん小売に書籍を送っていく。

e. その結果、実際に購入されずにキャンセルされ、捨てられる本が4割。







大事な点は、出版社にとって出版し続ける限り、取次からキャッシュを得られるという構造
です。実際に、その本が売れなくても1次的にお金が出版社に入るという意味では、取次は流通でありながら、出版社にとってお金を貸してくれる銀行と同じ役割を持っていることになります。

資金力のない出版社は、出版不況で本が売れなくなり、そもそも冊数が出なかったり、キャンセルが増えている中で、今日までのコストを、今日の出版物で得る取次からの売上で回す自転車操業状態になっており、裏を返せば、その構造から新たな出版を止めると、キャッシュが止まり倒産するという宿命にあります。

2.電子書籍の権利を抑え忘れていた出版社

電子書籍が存在すると思っていない90年代までは、紙の出版権は抑えていたものの、デジタルでの出版権を抑えるという概念が存在しませんでした。それどころか、本来、出版社と著者の間で正式な契約書が結ぶべきだったのですが、著者との関係が深いこともあり、実態としては口頭約束で正式な契約書を結ばないままということも往々にしてありました。

そもそも電子書籍について記載がなかったり、契約書を正式に結んでいない場合、電子版での出版権は著者にあることになります。各出版社は出版済みの書籍についても、電子書籍の出版権を抑えにいっているというのが現状です。

今の隙間ビジネスとして、書籍を裁断して、PDF化してタブレットで読む「自炊」を代行する業者が、雨が降った後の竹の子のようにどんどん生まれています。現在も全く需要に追いつかず、多くの業者が2-3ヶ月待ちという大盛況で、業界トップのブックスキャンにおいては米国進出も果たし、米国内でも事務所が送られてくる本でいっぱいになっているようです。

業界の方によると、現在の需要の背景としては、電子版にして、いつでも持ち歩けるようにしたいというニーズもあるが、電子書籍化して本棚や本部屋を無くしたい、というスペースに限りのある日本ならではの事情が強くあるとのことでした。

利用規約を読まないという方がほとんどだと思うのですが、例えばブックスキャンで言うと著作権についてという項目で以下のように記載されているのはご存知でしょうか。
BOOKSCANのPDF書籍変換システムへ依頼できるものは、著作権法に基づき、著作権フリーのもの、著作権が切れているもの、ご自身で著作権を有しているもの、著作者の許可がとれているものです。該当しないものは、トラブル防止のため、ご遠慮ください。

つまり、著作権OKのものだけ送ってね、あとから著作権侵害だってうちが言われても、ユーザーさんがOKって確認後のものだけを送ってもらっていると思っていました、では、その本のスキャンはすぐに辞めます、という仕組みになっています。

ちなみにこのようなやり方は、プロバイダー責任制限法に基づいて、閲覧できる場を用意しているのであり、ユーザーが著作権違反コンテンツをアップロードした場合、通報に基づいて事後削除するという、YouTubeもニコニコ動画などがやっているネット業界的な手法に近い感じします。

再販制度を崩壊を恐れる出版社は、電子書籍化して自分から価格を下げるということもできないですし、一方で、自炊行為生まれるDRMフリーの書籍がシェアされる恐怖感もあって、なんとかこの自炊行為を辞めさせたいという思いを持っていました。

当時ネットでも騒がれましたが、アメリカでスティーブジョブスの伝記が17ドルで販売されている中、日本では上下巻あわせて3800円、電子版も同じ3800円という、ユーザーを無視したこの体制を継続しないと出版社は困るわけです。

そこで、東野圭吾氏を筆頭とする著者達の名前で、こういった代行業者にアンケートを送り、回答をした業者の中で、今後も自炊代行事業を続けていく意志がある、と真面目に回答した2つの業者を相手に訴訟を起こしました。アンケートは地雷だったということです。

この背景は、あくまで裁判をしたかったのは出版社で、出版権しかもたない自分たちでは代行業者を訴える口実が作れず、東野圭吾氏を始めとする代わりに訴えてくれる著者を探して、「複製権の侵害」という内容で差止請求を起こした、というのが背景です。
原告側は「業者が大規模にユーザーの発注を募ってスキャンを行う事業は、著作権法上の複製権の侵害に当たる」と主張。こうした代行業を野放しにすれば「わが国の創作活動や出版活動が衰退する事態を招くことになる」としている。


続いて、著者と出版社の関係に関して、3つ目の事実として以下にまとめました。

3.出版社に刃向かえない著者

著者の収入は一般的に非常に不安定です。著者の収入の柱は出版による印税であり、初版でいくら、重版でいくら、と印刷を重ねていくたびごとに収入が入る、いわばスポットでの収入が中心になるからです。以前、ガイアックスソーシャルメディアラボのメンバーとしてポケット百科 facebook 知りたいことがズバッとわかる本 の共著を致しましたが、初版が出る前から初版分でいただける原稿料がコミットされており、重版が掛かるたびに原稿料が入るという流れでした。

その構造において、自分の名前だけで食べていける一部著者を除いて、ほとんどの著者は出版社がなければ書籍化できず食べていけないので、基本的に友好な関係にいたいと思っていますし、多少のことがあってもあまり強く出られない、という状況です。

一方で、著者が出版社を介さず収益を上げる流れが出てきています。「ブラックジャックによろしく」「海猿」の著者の佐藤秀峰氏のケースが特徴的で、作品を自身が運営するウェブサイト「漫画onWeb」で無料公開し広告収益を得るとともに、ダウンロード課金をしています。ITメディアの記事によると、佐藤氏は
「無料で公開するほうが、サイト全体の売り上げは上がる」
と語っており、先の業界構造に反旗を翻す、チャレンジングなモデルとして注目しています。他にも、有料メルマガは著者にとって出版社に依存しない、安定的な収益源になりますし、Gumroad のように著者がインターネットの力を使って、流通を飛ばして、直接コンテンツを販売するという流れは今後も続くのではなかと思います。

キンドル、iBook、自炊から想像する電子書籍の未来


1. キンドル


キンドル上陸で期待することは、Amazonが持つ Buying Power を背景に、日本の出版業界がまったり進めてきた電子書籍化に、一気にプレッシャーをかけ、押し進めることです。

加えて、アメリカでは、著作者に有利な条件を提示する一方で、紙よりも低価格で提供することを条件にしています。

・販売価格2.99ドル以上9.99ドル以下であること。
・デジタル版の販売価格はあらゆる印刷版の価格の80%以下の価格でなければならない。

上記を含め、一定の条件を満たすと著作料が70%、条件外では35%となります。

日本ではスティーブジョブスの本を始め、再販制度の元、本と同じ価格で販売したいという出版社側の圧力が働いていますが、今回の日本版キンドルで出版社からデジタル版の本を出させると共に、価格を押し下げるところまで実現するのか、ということが注目すべき点になります。

2. iBook



著者が自分で「出版」(=iBookAuthor)ができ、流通(=iBook)ができるようになりました。iBookAuthorについては当初、当ツールを使って制作した書籍は無料であればどこで配ってもよいが、有料で販売する場合はiBook Storeのみ可能というレギュレーションを設けました。批判が相次いだからなのか、その後、有料であってもPDFやその他の電子書籍フォーマットであれば、他で販売してもよいということになりました。
このことによって、出版社を通さずとも制作から流通販売まで一貫して提供できるようになりました。裏をかえせば、今まで出版社は著者へ出版に際する原稿料として、8-12%程度の著作料を支払って来ましたが、あくまで出版社がいないと成り立たないビジネスモデルだっただけで、この件を皮切りに著作料の交渉ができるようになります。

3. 自炊


自炊業者がどんどん生まれてくる中でさえ、需要が追いつかない状態です。
ブログで明示できないのですが、ある根拠に基づいていた私の調査によると2012年2月現在までにおおよそ100万冊、重複を抜いて30万冊程度の書籍がすでにPDF化されていると推察をしています。国内で最大の書店である池袋ジュンク堂に置いている書籍が、常時在庫150万冊ということですから、自炊の波が生まれて1年ぐらいで国内最大店舗の書籍数に徐々に迫ってきています。
これは、出版業界が出遅れたという環境と自分でPDF化することを厭わない日本人ならではの細かさが表出した現象だと思います。私が今月上旬にシリコンバレーに行った際の現地の方の反応は、「日本人はそこまでして本を電子化したいのは驚き。米国人的には考えられないし、それ以前にAmazonがあったしね。」というものでした。

今後、この溜りに溜まったDRMフリーのPDFデータが、音楽におけるナップスターのように出回る危険性も十分にあると思います。

昨年のちょうど今頃、「baiduライブラリ」というリリースされ、あまりの批判ですぐにサイト閉鎖をしました。
コンプライアンスという単語を知る者であれば誰もがイナバウアーしてしまい そうな新サービスが百度から。

2月に入ってから18歳の方も同様の犯罪で捕まっています。
漫画「ワンピース」など3800冊分を無断配信で少年逮捕 250万人アクセス

無料で配信することでユーザーは楽しめるものです。しかし、著作者が著作料を取れないということで、次の作品を生み出せないということであり、Amazonを始め電子書籍の市場が整うことは重要な意義があると考えています。

4. 未来




講談社の全新刊、6月から紙と電子で同時刊行へ


昨日ニュースが出ていましたが、この講談社の取り組みように徐々に出版社も重い腰を上げ始めています。講談社が電子書籍をいくらで販売するのかは現時点でわかりませんが、いづれ早かれ遅かれ、電子書籍の価格は下がることになります。


また、著者が販路を自分で拡大する道が増えて、出版社に依存しなくてもよくなっていきます。著者は「無料」を始め独自のプロモーションで、多くの「共感」を集め、自身の名前で本が売れていくことになります。ソーシャルメディアはそのスクリーニング機能でより良いものを、嘘偽りなく引き上げ、メディアが創り上げてきたヒット作の構造を壊していきます。その意味で、これからの著者は本当に世の中に響くいい作品を作ることに純粋に集中できるのではないでしょうか。
一方で、出版社に求められる機能は、今まで最も価値が高かった「流通を抑えていること」ではなく、良い出版物を出すための「コンサルティング」と、1人の著者では仕掛けられないムーブメントだったり、文化づくりといった「総合的なプロモーション」に絞られていくのではないでしょうか。

前者の「コンサルティング」に関して言うと、編集者の技量にかかるウェイトが高くなります。現在は、出版社に所属するサラリーマン編集者と、どこにも属さないフリーの編集者と2パターンいるのですが、前者のサラリーマン編集者は会社の中で自分の企画の稟議を通さないといけないので、どうしても自分の会社の顔色を伺ってしまいます。フリーだからといって必ずしもそうではないてすが、読者にとって純粋な面白さを追求できるヒットメーカーの編集者は、今後より重宝されますし、もっと高い年俸を取れるようになるのではないでしょうか。

また、コンサルティングや総合的なプロモーションは余力のある企業しかできないですし、自転車操業で回らない、資金力のない出版社は大手3社(小学館、講談社、集英社)に買収をされるか、自然淘汰されていくのではないかと思います。

アメリカでは、創業2年で、著者2000人、独立系の出版社80社と契約し、3000冊以上の電子書籍を出したスマッシュワーズを代表として、電子書籍ディストリビューターがビジネスを拡大しています。今年に入っての講談社、Amazonの動きを見ていると、国内でのこの手のビジネスに今から参入するのは、はすでに二歩・三歩遅い感じがしますが、まだ頭角を表している企業もないという状態だと思います。

Appleは現在、教科書にターゲットを絞って展開していますが、もちろん広大な一般書籍マーケットは彼らのターゲットですし、分厚い、高い、重いという3重苦を背負った書籍は全て電子書籍化の大きな恩恵を受けられるものと思います。そういう意味では、プログラミングの技術書などはまさに格好のターゲットと言えるのではないかと思います。

最後に、佐々木俊尚氏の電子書籍衝撃が非常に詳しく、参考にさせていただいております。この分野の必読書だと思いますので、もっと幅広く、詳しく情報を得たいという方はご覧下さい。




最後に、長文を読んで頂き、ありがとうございました。


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